2015年度の活動報告（成果と課題）
2016.3.19総会資料
１ 北山公園の水環境の改善と在来生物の保護に取り組んできました
今年度は、北山公園の生物多様性を保全していくための基礎的な調査として、生物調査がはじまりました（市の委託事業としてNPO birthが実施）。生物調査は両生類、爬虫類、魚類、トンボ類、希少植物を中心としたもので、この調査結果を基に、公園の目標とする環境や保全対象種等について検討していこうとするものです。調査結果（中間報告）では、多くの希少種が確認された一方、多くの外来種が確認されています。今年度の調査結果を踏まえ、来年度以降、具体的な対応策について検討していくことになります。
今年度は、北山公園の生物多様性を保全していくための基礎的な調査として、生物調査がはじまりました（市の委託事業としてNPO birthが実施）。生物調査は両生類、爬虫類、魚類、トンボ類、希少植物を中心としたもので、この調査結果を基に、公園の目標とする環境や保全対象種等について検討していこうとするものです。調査結果（中間報告）では、多くの希少種が確認された一方、多くの外来種が確認されています。今年度の調査結果を踏まえ、来年度以降、具体的な対応策について検討していくことになります。
また、しょうちゃん池奥の氾濫原については、水辺の生き物のサンクチュアリ（聖域）となる可能性を秘めた場所であることから、川端会議の場で、改良（当初の目標どおり、湿地化）していくこと、併せてしょうちゃん池も改良していく（水際の植生帯やワンドのようなものを作っていく）ことについて議論を進めてきました。実際の改良工事の実施は今年度以降となる見込みです。
一方、在来生物にとって貴重な生息、生育の場となっており、北山公園の景観としてなくてはならない、そして東村山では消滅寸前となってしまった水田（民有地）を、将来にわたり守っていくための仕組みづくり（例えば市民田んぼ）については検討が進みませんでした。
ウシガエルやミシシッピアカミミガメ（以下、アカミミガメ）など外来生物の駆除についても継続的に取り組んできました（後述）。
２ 北川や北川流域の環境の改善に取り組んできました
北川最上流部、狭山公園内「たっちゃん池」の外来生物防除について、公園管理者等との意見交換を行ってきた結果、今年１月１７日に、かいぼりの実施に至りました。今回のかいぼりでは、５年前のかいぼり時に駆除しきれなかった特定外来生物のオオクチバスや国内移入種のコイやフナ類を駆除することができたこと、当日は多くの市民団体の方々がボランティアとして集まり、多くの一般市民が見学に集まるなど大きな成果があったと思われます。
川そうじ（クリーンアップ）は地道な活動を継続してきましたが、特定外来生物オオフサモの駆除については、駆除作業を行う人員が限られていることから、秋の実施を見送りました。
北川最上流部、狭山公園内「たっちゃん池」の外来生物防除について、公園管理者等との意見交換を行ってきた結果、今年１月１７日に、かいぼりの実施に至りました。今回のかいぼりでは、５年前のかいぼり時に駆除しきれなかった特定外来生物のオオクチバスや国内移入種のコイやフナ類を駆除することができたこと、当日は多くの市民団体の方々がボランティアとして集まり、多くの一般市民が見学に集まるなど大きな成果があったと思われます。
北川最上流部、狭山公園内「たっちゃん池」の外来生物防除について、公園管理者等との意見交換を行ってきた結果、今年１月１７日に、かいぼりの実施に至りました。今回のかいぼりでは、５年前のかいぼり時に駆除しきれなかった特定外来生物のオオクチバスや国内移入種のコイやフナ類を駆除することができたこと、当日は多くの市民団体の方々がボランティアとして集まり、多くの一般市民が見学に集まるなど大きな成果があったと思われます。
３ 外来生物の防除
引き続き、北川や北山公園など流域の外来生物の防除に取り組んできました。
北山公園内「しょうちゃん池」などで繁殖しているアカミミガメの防除については、捕獲数が大幅に減少してきたため、これまでのカゴアミを主体とした捕獲方法から、７月以降は日光浴ワナを主体とした捕獲方法に変更しました。一方、北山公園では特定外来生物ウシガエルが多数、繁殖しているため、その防除策を強化し、カゴアミを使って捕獲するとともに、北山わんぱく夏まつり時には「ウシガエル捕獲大作戦」を開催し、子どもたちも巻き添えにしながらの捕獲活動を行ってきました。
北川で繁殖している特定外来生物オオフサモの駆除については、駆除作業を行う人員が限られていることから、秋の実施を見送りました。今後は、参加して楽しめるようなイベントとしていくなどの再検討が必要と思われます（再掲）。
狭山公園内「たっちゃん池」については狭山公園パークセンターと連携しながら、今年１月１７日にかいぼりの実施に至りました（再掲）。また、11月と１月に実施の井の頭池のかいぼりと12月実施の武蔵国分寺公園の武蔵の池のかいぼりついて支援してきました。
外来生物を防除していくためには、市民に対して外来生物の現状と問題点をより強力にアピールしていく必要があると思われますが、その一つの手段として北川かっぱの会が提案していた「北川ルール」について、北山公園内にその内容を示す看板が４月に設置されました。
４ 北川および周辺環境の環境変化を捉えるため、北川の水質や投棄ゴミと併せて、周辺でみられる鳥類などの生息状況について継続的に調べてきました。
【水質調査】
６月７日の全国の川・一斉調査に参加し、例年と同様に北川と前川の調査を担当しました。前日までの降雨の恩恵も受けて、水中の有機物量の指標となるＣＯＤの値は、北川では最上流の狭山公園で４mg/Lであったものの、他の４箇所では２mg/Lと低い値でした。北川や前川の水質への負荷は、主に家庭排水の直接流入によるものと考えられるので、経時的な比較をするためにはできるだけ同じ条件下（曜日・時刻）で行うことと、水量が多い程値が下がる（良くみえる）ため、調査日前の降雨などによる流量の状況を加味した考察が出来るようにしておくことが大切と思われます。
【ゴミ調査】
北川水辺倶楽部が主体となって毎月実施している「定例川そうじ」で、収集したゴミの量を継続して調べてきました。収集した全体のゴミの量は16年度（2004年）の29袋をピークとして、その後減少するかに見えましたが、残念ながら20年度（2008年）以降は概略減少傾向にあるものの、ここ３年は11～13袋で推移しています。収集した全体のゴミの量の内、ペットボトル、ビール・チューハイ類缶、コーヒー・ジュース類缶についても、15年（2003年）をピークとして、その後漸次減少する傾向はみられるものの、依然として100個／月を割れていません。
【生物調査】
① 北川の魚類等：主に８月２日のわんぱく夏まつりの「北川水族館」展示の機会を利用して調べました。投網や手網で捕れた魚は 、多い順にトウヨシノボリ、ギンブナ、オイカワ、タモロコ、モツゴ、ドジョウなど12種類で、主な生息種や組成は例年とほぼ 同様の傾向でした。トピックスとしては･･･
・全長５cm位のオオクチバス幼魚が、夏祭り時に１個体（採捕場所不明）、秋の川掃除時に前川との合流点で1個体採捕されま した。
・遙か下流から遡上してくる種類として、今年もモクズガニの成体が確認されました。
・しょうちゃん池に生息するクサガメ等の在来種と外来種（ミシシッピアカミミガメ、アメリカザリガニと特定外来生物のウシガ エル幼生（オタマジャクシ）など）の生息状況の調査と駆除を市民ボランティアの方たちの協力を得ながら行いました。特に今 年度は、「ウシガエル捕獲大作戦」として夏祭り時に懸賞付きで募集したところ、子供たちによってウシガエル幼生をたくさん 採捕することができました。
ミシシッピアカミミガメやウシガエルは手強い相手で、今後も継続的な取り組みが必要です。
② 北川の底生生物（川底の泥中や石の裏などに棲む生き物）：今年度も全国水生生物調査に参加しました。10月に行った市内の 前川（２地点）、北川（２地点）、空堀川、野火止用水の計６地点の調査結果は、環境省や国土交通省のＨＰで今年６月頃報道 発表されます。
③ 北川の底生生物（川底の泥中や石の裏などに棲む生き物）：今年度も全国水生生物調査に参加しました。10月に行った市内の前 川（２地点）、北川（２地点）、空堀川、野火止用水の計６地点の調査結果は、環境省や国土交通省のＨＰで今年６月頃報道発 表されます。
これらの調査結果の一部は、ホームページで公開しています。
５ 北山わんぱく夏まつりの開催と環境学習の支援を推進してきました
北川と流域の自然環境の保全や再生のための活動を推進していくために、主として次世代を担う地域の子どもたちを対象とした環境学習への取り組みに、 引き続き力を入れてきました。
最大のイベントのひとつである「北山わんぱく夏まつり」（8／2）は、東村山市など様々な方面からの協力を得て、子どもたちへより多くの楽しいメニューを提供することができました。ただ、参加する子ども、保護者、また実施するスタッフ側の、環境・意識の変化に対応できなかった部分がありました。
小学校の土曜講座には積極的に参画しました。北川の生き物（9／5富士見・南台小、9／5北山小）、八国山の昆虫（6／20富士見・南台小、7／18北山小）、狭山公園ホタル観察（6／20北山小）、プールのヤゴ救出（5／30北山小）、北山公園トンボ・バッタ観察（9 ／19北山小）、空堀川・八国山＆北山公園の野鳥観察（11／21、1／23富士見・南台小）で、児童の川やみどり等についての理解・体験をサポートしました。
小学校の土曜講座には積極的に参画しました。北川の生き物（9／5富士見・南台小、9／5北山小）、八国山の昆虫（6／20富士見・南台小、7／18北山小）、狭山公園ホタル観察（6／20北山小）、プールのヤゴ救出（5／30北山小）、北山公園トンボ・バッタ観察（9 ／19北山小）、空堀川・八国山＆北山公園の野鳥観察（11／21、1／23富士見・南台小）で、児童の川やみどり等についての理解・体験をサポートしました。
６ 市役所や関係団体との連携を図ってきました
昨年も、川端会議などの場で、北川流域の自然環境の保全や再生を目指し、市役所とのパートナーシップの向上に努力してきました。その結果、北川クリーンアップや北山わんぱく夏まつり、北川カヌー（夏まつり）を実施するための北川の堰き止めと撤去作業、北山公園「しょうちゃん池」のアカミミガメ駆除作業などについて、市と連携しながらスムースに実施することができました。川端会議の場では、北山公園でのトウキョウダルマガエル等の絶滅危惧種の保護や外来生物の防除、生物多様性を保っていくための生き物調査や指標種の選定、また北山公園内の水確保策（流水、止水）などについての議論が進みました。なお、「北川ルール」の検討の成果として、４月末より北山公園内に「北川ルール」の看板が立てかけられました（再掲）。
昨年も、狭山公園や八国山緑地等の都立公園を東京都から受託して管理している「西武・狭山丘陵パートナーズ」との連携をさらに深化することができました。７月の「狭山三公園管理運営協議会（東京都が設置、主催は西武・狭山丘陵パートナーズ）」をはじめとし、６月の「狭山公園わいわいミーティング」や９月の「八国山緑地わいわいミーティング」に参加することにより、北川流域の環境保全や復元に向け、意見交換を行うことができました。特に、今年１月１７日に実施された狭山公園「たっちゃん池」のかいぼりでは、良好な連携関係をベースに大きな成果を得ることができました（再掲）。また、３月に開催された「春のうららかウォーキング（西武・狭山丘陵パートナーズ主催）」では北川かっぱの会で多数の参加者に北山公園や北川の解説を行うとともに、同月に実施された「狭山公園湧水の池生き物調査（西武・狭山丘陵パートナーズ主催）」では、狭山公園友の会とともに調査を実施しました。
今年度は、八国山緑地について都主催の「多様な生物が生息する都市公園づくり事業」が実施となり、八国山緑地の保全や利用に関する計画策定について意見交換を行ってきました。来年度以降、これらの計画に基づく伐採や下草刈り、二つ池の浚渫などの作業が開始されると思われますが、その実施状況について注視していく必要があると思われます。
その他、新河岸川水系水環境連絡会と連携し、引き続き６月の全国の川・一斉水質調査に参加するとともに、新河岸川流域しんぶん「里川」への北川関係の原稿作成などにも協力を行なってきました。アカミミガメ対策では認定NPO法人生態工房と連携してきました。また、柳瀬川流域水循環再生市民懇談会や柳瀬川流域ネットワークについても参加してきました。
７ 地域への情報発信力を強化するとともに、会員内外の交流の拡大を図ってきました
地域や会員へ情報提供を行っていくために、「かっぱ通信」を年５回発行しました（２、４、７、１０、１２月発行）。
その他、地域への情報発信力をより高めていくために、「（北川の環境を守ろう）ネームプレート」を主要なイベントで着用するとともに、主要な橋に垂れ幕を設置（クリーンアップ、夏まつり）などに取り組んできました。また、ホームページの内容の定期的な更新（月１回程度）、定期的なブログの発信（週２回程度）に取り組んできましたが、より訴求力のある内容としていく必要があると思われます。
また、北山公園内の「水と緑の掲示板」の掲示を継続し、情報発信力の強化を行ってきました。北山公園・八国山「見どころマップ」では、季節ごとに見ることのできる動植物の写真を掲載し好評でした（春、初夏、夏、秋、冬編を掲示）。
個々の活動にあたっては、引き続き、会員内外の交流の拡大、会員各自が興味のあるテーマやイベントに参加しやすい体制づくりをめざしてきました。参 加しやすい体制づくりをめざし、かっぱ通信やホームページ、かっぱブログ、メール、口コミを活用し、イベントや調査、打合せなどへの参加の呼びかけや 各活動の実施結果などについて、情報提供の充実化を図ってきました。
2016年1月に実施した宅部池のかいぼりにおいて、地域内外に呼びかけ、さまざまな団体からの参加をいただき、交流を深めることができました。
８ 活動する人の層の底辺の拡大に努力してきました
北山公園や北川流域の自然環境の保全や再生を行っていくためには、活動していく人の層の底辺の拡大、特に若い世代の活動層の拡大を図っていくことが重要です。そのために、北山わんぱく夏まつりや川そうじ（クリーンアップ）、外来生物の駆除、水と緑の掲示板の編集、環境学習の支援など、ボランティア募集を拡大、強化すべく努力してきました。様々な方々に参加していただけるようできるだけ多くのイベントを開催するとともに、ボランティアの募集情報を適切な時期に適切な方法で行っていくことや、積極的な声掛けなどにより、間口の広い受入体制を心掛けてきました。
今年度は、会則を改正し、従来の一般会員とは別に、主としてカンパで参加していただく「支援会員」の制度を設けるとともに、会費の振込用紙に寄付金の欄を設けるなどの対応を行ってきました。
９ 北川かっぱの会創設２０周年事業を実施しました
北川かっぱの会は、昨年５月に創設２０周年を迎えました。これを記念し、６月にかっぱ探検隊（笠取山ハイク）、カヌーキャンプ（荒川・玉淀）を開催するとともに、新たなパンフレット「北川・八国山・北山公園いきものマップ」の編集を行ってきました。「北川・八国山・北山公園いきものマップ」については今年３月に完成します。