2017年度活動方針
2017.2.25総会資料
１ 北山公園の水環境の改善と在来生物の保護
北山公園では市からの委託事業としてNPO birthによる生物調査が実施されていました。この結果を踏まえて、生物多様性を保全していくために、どのような環境を目標としていくのか、どの種について保全対象種や目標種としていくのか、またどのように保全していくのかなどについて、川端会議の場で議論していきます。また、市からの委託事業としてNPO birthによる水量調査が実施されていました。この結果を踏まえて、引き続き通年での水（流水と止水）確保を目指し、川端会議の場で具体的な対応策（北川からの取水方法や地下水の利用（浅井戸）、既存池（止水）の活用（改良）、冬水たんぼなど）について検討していきます。
今年度、菖蒲田では「菖蒲まつり」終了後に多くの面積の菖蒲田の水が抜かれ、トウキョウダルマガエル、シュレーゲルアオガエルの卵や幼生（おたまじゃくし）に甚大な被害が出た恐れがありました。今年度は市の具体的な対応策（水路の改良や水抜きを行う田の水抜き手順など）について注視していくとともに、問題があれば積極的に市に意見や提案を行っていきます。
また、しょうちゃん池奥の氾濫原については、水辺の生き物のサンクチュアリ（聖域）となる可能性を秘めた場所であるので、川端会議の場で、改良（当初の目標どおり、湿地化）していくことや、併せてしょうちゃん池も改良（水際の植生帯やワンドのようなものを作っていく）していくことについて、かいぼりと併せて実施していくことを提案していきます。
また、しょうちゃん池奥の氾濫原については、水辺の生き物のサンクチュアリ（聖域）となる可能性を秘めた場所であるので、川端会議の場で、改良（当初の目標どおり、湿地化）していくことや、併せてしょうちゃん池も改良（水際の植生帯やワンドのようなものを作っていく）していくことについて、かいぼりと併せて実施していくことを提案していきます。
ウシガエルやミシシッピアカミミガメ（以下、アカミミガメ）など外来生物の駆除に引き続き取り組んでいきます（後述）。
２ 北川や北川流域の環境の改善
北川では、北川の落差工（小さなダム）解消プロジェクトの中で、落差工の改善策案を検討し、「アユが遡上する北川」を目標に、市民プランという形で具体策の提案を行っていきます。川そうじ（クリーンアップ）は、当会にとって中心となるイベントであることから、さらに活動の輪を広げていく方向を目指していきます。外来生物の防除（後述）も活動の中心になりますが、人為的に放流されたコイについても、在来水生昆虫等の脅威となっているため注視していきます。
今年１月にかいぼりを実施した北川最上流部、狭山公園内「たっちゃん池」の再生を目指した取組（継続した魚類等調査の実施、池際の水草の再生、外来生物防除など）について、公園管理者等との意見交換を行っていく方向とします。
北川の水源涵養域であり、東村山随一の緑地である八国山緑地について、前年度、都主催の「多様な生物が生息する都市公園づくり事業」で合意形成に至ったプランに基づき、昨年末以降、工事（伐採や下草刈り、二つ池の浚渫など）が実施されていますが、その実施状況について注視していく方向とします。
また、多摩湖堤体にシバザクラを植えようとする動きに対しては、希少な植物を守っていくことや堤体にダメージを与えない視点からの検討が必要であることを訴え続けていく方向とします。
３．外来生物の防除
引き続き、北川や北山公園など流域の外来生物の防除に取り組んでいきます。
今年度も特にトウキョウダルマガエル等の希少種にとって大きな脅威となっているウシガエルやアメリカザリガニの捕獲を継続していきます。また、北山公園内「しょうちゃん池」などで繁殖しているアカミミガメの防除を継続していきます。市が２月の川端会議の場で提案してきた北山公園の外来生物駆除のためのグループ（市がボランティアの募集を行うなどして集めたメンバーによる外来種防除活動のためのグループ）の立上げを支援し、このグループと連携しつつ防除活動を実施していく方向とします。
総合的な外来種対策、国内移入種対策として、北山公園内「しょうちゃん池」のかいぼりの実施について市と連携しながら検討していきます。
外来生物を防除していくためには、市民に対して外来生物の現状と問題点をより強力にアピールしていく必要があると思われます。引き続き、「水と緑の掲示板」やかっぱ通信などで、外来生物の問題点や外来生物の放流の禁止について触れるなどの対応を行っていきます。
４ 継続的な環境調査の実施
地域の環境の現状を把握して今後の活動に生かしていきます。北山公園内の水路や池などを含めた、水質や魚類や底生生物などの生息状況や、北川に投げ捨てられるゴミの回収を通した種類や量、ウシガエルやアカミミガメなどの防除活動の機会を利用した北山公園や北川での外来生物の生息実態の継続的な把握に取り組んでいきます。また、土曜講座などのイベント時に得られたデータも含めて、記録としてきちんと残していきます。
【主な環境調査等の予定】
水質 全国の川・一斉調査 ６月
生物 魚類等
定期調査 ８月(夏祭り時)
外来生物 ４〜12月 アカミミガメ等外来生物の捕獲時
北山公園内の水路や池（随時）
土曜講座等（随時）
底生生物
定期調査 北川クリーンアップ時 ５月
土曜講座等（随時）、全国水生生物調査
昆虫類
土曜講座・みどりの楽校等
チョウ類任意調査（春〜秋記録）
鳥類
土曜講座・みどりの楽校等
任意調査（原則毎月記録）
その他
植物、カエル類（時期等未定）
なお、今年度は北山公園遊水地奥の動植物の調査も実施したいと考えています。
河道内のゴミ
定期調査 毎月１回
５ 北山わんぱく夏まつりの開催と環境学習の支援を継続
北川や北山公園の自然環境の保全や再生のためには、主として次世代を担う地域の子どもたちを対象とした環境学習への取組みがとても重要です。
北山わんぱく夏まつりは、すっかり定着した当会最大のイベントです。しかし参加層の変化などを主要因として改善点も指摘されました。そこで昨年は実行委員会を早期に立ち上げさまざまな検討をしました。本年度も実行委員会を早期に立ち上げ、サポーター体制の充実等もはかっていきます。また、来場者への北山公園等の解説の場をもうけ、コミュケーションをはかります。
「東村山市みどりの楽校」とは、引き続き八国山虫とりハイク（北山わんぱく夏まつり）、野鳥観察会等を実施していきますが、みどりの楽校の母体となっている、みどりの基本計画を実現する市民会議のメンバーが一新されたのを契機に(かっぱの会からは5名参加)、今後の活動について再検討していきます。
当会で作成していた「北川・八国山・北山公園いきものマップ」が完成しました。いきものの生息環境の観点からエリア区別をし、みつけやすい動植物に限定して掲載しました。これにより子どもたちの環境学習でも活用できる内容になっています。
小学校の土曜講座への参画は重要な取り組みとして位置付け、内容をより充実させてゆきます。なお、引き続き人的資源の不足を抱えており、参加してくれた父兄や若い世代を取り込んでより多くの会員の参画が得られるよう働きかけていきます。
昨年、一昨年実施した化成小学校の学習支援については、小学校と直接結びついて環境学習を実施するという新しいチャンネルです。また北山公園は化成小学区内にあるということからも、継続的に実施していくことが望まれます。
昨年、一昨年実施した化成小学校の学習支援については、小学校と直接結びついて環境学習を実施するという新しいチャンネルです。また北山公園は化成小学区内にあるということからも、継続的に実施していくことが望まれます。
今年は、新規に（仮称）北川いきものクラブの活動（北山公園で水槽展示をしつつ、子どもたちに川などで遊んでもらう）をスタートし、次世代が自然の中で楽しく遊んでいくことができるようなイベントづくりを行っていく方向とします。
６ 市役所や関係団体との連携を重視
北山公園や北川の環境保全、多摩湖緑地の維持管理等のために、引き続き市役所との連携を重視していきます。川端会議への参加にとどまらず、北山わんぱく夏まつりや北川クリーンアップ、外来種の駆除などのイベントの機会を通じて連携を図っていきます。また、川端会議の場で市から提案のあった北山公園の外来生物駆除のためのグループ（市がボランティアの募集を行うなどして集まったメンバーによる外来種防除活動のためのグループ）の立上げを支援し、このグループと連携しつつ防除活動を実施していく方向とします（再掲）。
また、様々な課題の解決を目指し、引き続き西武・狭山丘陵パートナーズや八国山たいけんの里自然部会、生態工房、東村山の原風景を守る会、空堀川に清流を取り戻す会、柳瀬川水系水環境連絡会、柳瀬川流域ネットワークなどとの連携を強化していきます。
７ 地域への情報発信力の強化
北山公園や北川流域の自然環境の保全や再生について、市民の理解を広く得ていくために、北川かっぱの会の活動や北川流域の自然のすばらしさや問題点についてアピールしていきます。アピールにあたっては、より訴求力を高めた内容としていきます。
かっぱ通信については、引き続き年５回発行（２、４、６、１０、１２月）していきます。また、ホームページや「かっぱブログ」の内容の充実に取り組んでいくとともに、新たにフェイスブックでの情報発信について検討していきます。その際にはフェイスブック、ブログ、ホームページのそれぞれの特徴を生かし、それぞれの役割を明確にします。具体的にはフェイスブックは告知を中心に情報発信の最前線に、ブログはイベント等の実績を蓄積していきます。ホームページはかっぱの活動のライブラリとしての役割を持たせます。
今年度も北山公園内の「水と緑の掲示板」を活用し、八国山や北山公園、北川の見どころを紹介するマップや、外来生物関係の情報、イベント情報等の掲示について継続して取り組んでいきます。なお「見どころマップ」については仕様を変更します。
昨年、土木学会市民普請大賞で準グランプリを獲得しました。これを契機にして北川落差工解消に向け本格的に取り組みます。受賞の祝賀会を開催、また上記のさまざまなチャンネルを通して、今後の取り組みを発信してゆきます。
８ 活動する人の層の底辺の拡大
北山公園や北川流域の自然環境の保全や再生を行っていくためには、活動していく人の層の底辺の拡大、特に若い世代の活動層の拡大を図っていくことが重要です。そのために、北山わんぱく夏まつりや川そうじ（クリーンアップ）、外来生物の駆除、水と緑の掲示板の編集、環境学習の支援など、ボランティア募集を拡大、強化していきます。今年は（仮称）北川いきものクラブの活動をスタートしますが、できるだけ若い世代の参加を目指していきます（再掲）。さらに、今年は、川端会議の場で市から提案のあった北山公園の外来生物駆除のためのグループ（市がボランティアの募集を行うなどして集まったメンバーによる外来種防除活動のためのグループ）の立上げを支援し、このグループと連携しつつ防除活動を実施し、活動する人の層の底辺の拡大を行っていく方向とします（再掲）。また、様々な方々に参加していただけるようできるだけ多くのイベントを開催するとともに、ボランティアの募集情報を適切な時期に適切な方法で行っていくことや、積極的な声掛けなどにより、間口の広い受入体制を整えていきます。